リアップの主成分ミノキシジルは体にどんな作用をもたらすのか?

リアップの主成分でもあるミノキシジル(minoxidil)は、1960年代にアメリカで血管拡張剤として開発された成分です。本来は血圧降下剤として高血圧患者に処方されていた経口薬でしたが、服用していた患者たちから続々と毛髪が増加したとの報告がなされ、発毛効果に注目が集まりました。

そして、そこから本格的な発毛成分としての研究が始まり、およそ20年後の1980年代、アメリカの「アップジョン社」の手によってミノキシジル2%配合の発毛剤「ロゲイン」が販売されました。ミノキシジルという成分が一躍認知度を高めたのも、ちょうどその頃でした。

日本で一般消費者に認知度が広まったのは、大正製薬によってリアップが販売され始めた1999年からです。

以来、日本で唯一の発毛剤に、主成分として配合されているミノキシジルはどんどん認知されていき、2010年に皮膚科専門医の手によって発表された男性型脱毛症診療ガイドラインでは、外用成分として日本で唯一「行うよう強く勧められる(少なくとも 1 つの有効性を示すレベルⅠもしくは良質のレベルⅡのエビデ ンスがあること)」というAランクの評価を得ています。

ミノキシジルは具体的に3つの作用がある

では、ミノキシジルを使用すると体内にどのような作用が起こるのか?

そもそも様々なサイトでは、ミノキシジル=血流促進という説明がされていることに気づく方もいらっしゃるかと思います。

これは間違ってはいないのですが、もう少し複雑なメカニズムがあります。

薬の作用を研究し病気への応用ができないかを研究し定義している、公益社団法人日本薬理学会という学会が発表している「ミノキシジルの発毛作用」という論文では、具体的に下記3つの作用があると記載されていました。

ミノキシジルの発毛効果の本質は成長期期間の延長による矮小化毛包の改善である.その具体的作用として毛乳頭細胞の増殖作用,上皮系毛組織細胞(毛母細胞)のアポトーシス抑制作用,毛組織血流改善作用が考えられる.
参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/119/3/119_3_167/_pdf

この「毛乳頭細胞の増殖」、「毛母細胞の死滅(アポトーシス)を抑制」、「毛組織の血流改善作用」の3つが具体的にどのようなものなのか、確認してみましょう。



全ての効果は血流を改善することによってもたらされる

この3つの中でまず根本的な作用として注目したいのが、「毛組織の血流改善作用」です。

毛組織というのは、髪の毛を1本抜いてみればわかりますが、ちょうど生える根元の毛根にあたるところです。

この部分に毛細血管がつながっていて、髪の成長に必要な酸素や栄養素を血液から取り込んでいます。

でも、なぜミノキシジルを使うと血流促進作用が起こるのでしょうか?

調べてみると、帝京大学医学部医学科薬理学講座の主任教授である中木敏夫 教授がこのようにまとめておられました。

ミノキシジルが生体内で代謝を受けて生じた活性代謝物が ATP-感受性 K チャンネルを活性化することにより,細胞形質膜が過分極し,血管平滑筋が弛緩します.この結果血圧が低下します.ミノキシジルの血管拡張作用は動脈に主として作用し,静脈には作用しません.そのため,動脈側で増えた血流量は静脈で緩衝されることなくそのまま静脈環流量として心臓にもっどってきますので心拍出量が著明に(通常の数倍)増加します
参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/119/3/119_3_167/_pdf

ちょっとわかりにくいですが、ミノキシジルを入れると、血管を細くしたり太くしたりを調整する血管平滑筋が緩むため血管が拡張されます。

ただ、全ての血管が太くなるわけではなく、動脈だけしか作用しないため、動脈側で増えた血流量により血行が促進される。ということですね。

薄毛の人の場合、そもそも毛包への血行が悪く、栄養が行き届かず、髪の毛がうまく育たないという現象に陥っているそうです。

ミノキシジルを投与すると、血流が良くなることで、本来届くべきだった栄養や酸素が行き渡るようになる…ということでしょうか。



栄養が十分に行き渡ると細胞の活動が活発化する

血行が良くなって、増えた血液によって栄養が十分に行き渡るようになると、毛根の中にある細胞も活発化し、髪が生えるための環境が揃うことになります。

それが残り2つの作用である「毛乳頭細胞の増殖」「毛母細胞の死滅(アポトーシス)を抑制」にあたります。

毛乳頭細胞というのは、毛髪を生やす司令塔にあたり、栄養を取り込むと同時に髪を生やすための様々な命令を発生させる場所と言われています。

ですので、毛乳頭細胞が増殖すれば、数が増えるぶん、指令がバンバン飛ぶ=毛が生えるということですね。

対して、毛母細胞というのは、毛乳頭細胞の周りにあって、血液から来た栄養や酸素などを受け渡しする役割があります。この細胞が増殖することによって、髪の毛が伸びていくということになります。

ただ、ミノキシジルにおいては、増殖効果はなく、どちらかといえば元ある細胞の寿命を長くするという作用にとどまるようです。おそらく、

血液が来ない→栄養が入ってこない→オレ(毛母細胞)の存在意義はナニ?→死滅

というプロセスを抑制しているのだと推測されます。

このように、毛包に届けられる血流が増えることによって髪を生やす部分の組織が活発化するというのがミノキシジルの作用です。

ただ、日本薬理学会の論文でもミノキシジルの作用を全て把握しているわけではないようです。

ミノキシジルの細胞増殖に対する作用は種々の細胞で調べられているが抑制,促進と相反する作用が相半ばし一定の傾向が見られない
参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/119/3/119_3_167/_pdf

ミノキシジルに細胞増殖作用はあるけれども、かといって規則性や一定性がなく、いまだよくわからないことが多いということですね…。今後の研究が待たれるところでしょう。

ミノキシジルは濃度が濃いほど効果が高まる

ミノキシジルの作用についてはわかりましたが、濃ければ濃いほど効果は高まるのか?という疑問もありますよね。

誰もが直感的にわかるかもですが、ミノキシジルの濃度が高ければ高いほど効果は高まります。

リアップでは、当初1%のリアップが販売されていましたが現在ではリアップX5プラスという5%のミノキシジルを配合した商品がメインとして販売されています。

これにより従来効果が現れ始めるのが6ヶ月となっていたものが4ヶ月に短縮されました。 

大正製薬のリアップページやCMを見てもわかりますが、リアップX5プラスでは効果がでるまで4ヶ月と書かれています。

逆にミノキシジル1%配合のリアップジェットのページにはきちんと効果がでるまで6ヶ月と書かれています。

実際に大正製薬が行った臨床試験データでも、濃度が濃いほど効果は高いことが証明されています。

5%製剤は1%製剤よりも、総毛髪教および非軟毛数(太さ40マイクロメートル以上の毛髪)が有意に増えることが確認され、医師による脱毛部位の改善度評価でも、使用24週後の「軽度改善」以上の割合は、5%製剤が91.7%(著明改善2.1%、中等度改善47.9%、軽度改善41.7%)となりました。
参照:http://www.taisho.co.jp/riup/minoxidil/08-noudo/

で、あれば濃ければ濃い方がいいですよね。 調べてみると、海外ではさらに高濃度ミノキシジルの商品が販売されていて中には濃度15%といったものもあります。

ただしそれだけ副作用のリスクは強力になることはいうまでもありません。

ミノキシジルの副作用については、副作用のページにもまとめていますが、ミノキシジル5%配合のリアップX5で副作用率は8.82%です。 

15%になれば3倍になるという訳ではないと思いますが、効果が高まるほどリスクも比例して高まるということをしっかりと理解しておきましょう。

ミノキシジルの作用は女性にも効果的

ミノキシジルは今まで説明した作用により、壮年性脱毛症(=男性型脱毛症)に効果があると認められています。しかし、それだと女性には効果がなさそうなイメージですよね。

では、まずはそもそも、女性も壮年性脱毛症になるのか?調べてみると、大正製薬のページでこの様に記載がありました。

女性には甲状腺疾患による脱毛などが多くみられる傾向にありますが、40歳前後以降に頭頂部の薄毛が気になり始めたら「壮年性脱毛症」かもしれません。
参照:http://www.taisho.co.jp/riup/minoxidil/09-women/

ちなみに、この様に女性が男性型脱毛症になることを、FAGA(女性男性型脱毛症)というそうです。 抜け毛が増える訳ではなく、女性ホルモンの乱れによって髪の毛1本1本がだんだん細くなり全体的に薄くなっていく症状なのですが、このFAGAにもミノキシジルは効果的です。

大正製薬から発売されているミノキシジルが1%配合されたリアップジェンヌの臨床試験サイトには、6ヶ月継続使用した際の効果が記載されています。

内容を見てみると、1㎠あたりの太さ40μmの太い毛が約4倍に増加し、1㎠あたりの毛髪数は約5倍に増加致しました。

このように、女性の脱毛症であるFAGAにもミノキシジルは効果的であるということがわかりました。

ただ一点、女性の方が注意することがあります。それは濃度5%であるリアップX5は使用が禁止されているということ。ミノキシジルが1%配合されたリアップジェンヌの使用が女性にすすめられているので、くれぐれも5%のX5には手を出さないようにしましょう。

まとめ

  • ミノキシジルの作用は毛乳頭細胞の増殖、毛母細胞の死滅抑制、毛包の血流改善作用
  • 毛包への血流が促進することによって髪の成長にまつわる細胞が増殖する
  • 濃度が濃ければ濃いほど効果も高いが副作用リスクも比例して高くなる

コスパや副作用の少ない通販育毛剤も検討してみよう

ポリピュアEX

医薬部外品

特許成分バイオポリリン酸の複数の発毛因子の増加による細胞増殖作用。アルコール濃度も低めで副作用の心配が少ない。

濃密育毛剤BUBKA

医薬部外品

M-034による外毛根鞘細胞の増殖作用によってミノキシジルと同等効果を実現。ノンアルコール処方で肌への影響が少ない

LPLP薬用育毛エッセンス

医薬部外品

特許成分Wフコイダンの発毛因子(FGF-7)の増加による細胞増殖作用。アルコール濃度はやや高めか。

プランテル

プランテル

医薬部外品

セファランチンによる血流促進作用。リアップが不得意なM字型薄毛専門の育毛剤

プランテル

M-1育毛ミスト

医薬部外品

世界会議で認められた加水分解酵母配合。ノンアルコール処方で副作用の心配ほとんどなし