【医師監修】市販のミノキシジル発毛剤の副作用と絶対にやってはいけないこと

薄毛で悩んでいる人の中には、発毛剤を使用しようか悩んでいる方も多いと思います。

中でも薬局やドラッグストアなど、市販で購入できるミノキシジル配合の発毛剤は、最低4ヶ月継続使用(濃度5%の場合)することで発毛効果がある医薬品として、厚生労働省に認可されています。

しかし、その反面、頭皮のかゆみやほてりをはじめ、いくつかの副作用のリスクも存在します。

特にミノキシジルが含まれた発毛剤は、医薬品の中で副作用が生じる恐れが高い「第1類医薬品」に指定されており、使用にあたっては特に注意して使う必要があります。。

そのため、薬局などの店頭では購入前に薬剤師さんの説明を必ず受けることが義務となっており、ネット通販で購入する場合でも、薬剤師さんからのメール等での確認が必要となっています。

日頃から発毛剤についてユーザーの立場から情報発信している発毛剤徹底研究会では、発毛剤の効果とともに、副作用についてもしっかりとご紹介することで、実際に使われる方のリスクを少しでも減らしたいと考えています。

このページでは、どのような副作用が起こるのか、その種類や確率についてご紹介するとともに

  • なぜ副作用が起こってしまうのか?
  • 発毛剤をはじめて使う前に確認すべきこと
  • 発毛剤で絶対にやってはいけないこと

といったことについてもご紹介したいと思います。

なお、この記事は、できるだけ確かな情報をお届けするために、医学的専門知識に関して「皮膚科専門医」に監修協力を頂いて作成しております。

監修いただいた医師
医学博士 川﨑加織先生

皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本抗加齢医学会専門医。 兵庫医科大学病院初期研修医、皮膚科入局からキャリアをスタートし、明和病院、西宮わたなべ前浜クリニック院長などを経て、現クリニックを開院。 皮膚科専門医として、女性医師として、母として、患者さんの心と身体に寄り添うことを信条としている。

発毛剤には塗るタイプと飲むタイプがある

リアップのヘアサイクルの説明

発毛剤とは、日本国内において発毛効果が認められている医薬品のことです。

思春期以降に徐々に髪が薄くなる壮年性脱毛症や男性ホルモンに関わる物質の影響で薄毛が進行する男性型脱毛症といった症状に効果があることが証明されています。

ただし、ひとくくりに発毛剤といっても塗るタイプ(外用薬)と飲むタイプ(内服薬)の2種類があります。

しかし、飲むタイプの発毛剤は医師による診察を受けてから処方される「医療用医薬品」のみが認可されているため、薬局やドラッグストアで購入することはできません。

現在は、塗るタイプの発毛剤のみが、医師による診察を得なくても、市販で入手可能です。

ここからは市販の塗る発毛剤の副作用を前提にご紹介します。

市販の塗る発毛剤にはミノキシジルという成分が含まれている

ミノキシジル

2020年10月現在、日本で発売されている塗るタイプの発毛剤には、ミノキシジルと呼ばれる成分が必ず含まれています。

発毛剤を頭皮に塗布すると、ミノキシジルの作用によって毛細血管が拡張され、血流の量が増えます。

血流が増えることで、髪の成長に必要な栄養が送られやすくなり、発毛効果が得られるとされています。

ミノキシジルの効果については、以下のページでよりくわしくご紹介しています。

ただ、ミノキシジルには発毛効果がある反面、副作用があることがわかっています。

元々ミノキシジルは、薄毛治療薬ではなく、高血圧の治療薬として開発された経緯があります。

血管を広げ、血流を良くする「血管拡張」作用があるため、毛髪だけでなく、他の部位にも影響することによって副作用が発生するといわれています。

それが具体的にどのようなものなのか、次にご紹介します。

市販の発毛剤で発生するとされている副作用

副作用の説明

ミノキシジルが含まれた発毛剤で起こる副作用は大きく分けて次の4つとされています。

  • 皮膚…かゆみ、ほてり、かぶれ、発疹など
  • 循環器…心拍数の増加・胸の痛み
  • 精神神経系…頭痛・めまい・気が遠くなる
  • 代謝系…原因不明の急激な体重増加、手足のむくみ

それぞれ具体的に紹介してみると、

皮膚の副作用

主に頭皮に起こる副作用になります。

発毛剤を塗った直後から、頭皮のほてりを感じる方がいるかもしれません。

また、塗った頭皮を中心にかゆみやかぶれなどの皮膚炎が起きる場合があります。

循環器の副作用

血圧、心臓に関わる副作用になります。

ミノキシジルの発毛剤には、血管を広げ、血流を良くする「血管拡張」作用があります。

この作用によりは血流が多くなるため、心拍数の増加や胸の痛みが起こる可能性があるとされています。

精神神経系の副作用

同じく血圧が変わることにより起こる副作用です。

体全体に流れる血流が一時的に増えるため、気が遠くなったり、頭痛やめまいの原因になる可能性があります。

代謝系の副作用

その他使い続けることによって、体重が増えてしまったり、手足のむくみが目立つようになります。

どれくらいの確率で副作用が起こってしまうのか?

ただし、これらの副作用は使った人すべてに起こるわけではありません。

あくまでもこれまでに起こった副作用の中で特に起こりやすい確率が高いものが挙げられています。

では、副作用は実際にどれくらいの確率で起こってしまうのか、一例をご紹介いたします。

厚生労働省は、日本で初めて発売されたミノキシジルが5%の濃度で含まれた発毛剤(当時の品名:リアップX5)について発売後に薬局等でモニター調査を行い実際に購入した人の追跡調査を行っています。 (出典:平成25年度第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会  議事録(第二部))

これによると

  • 調査症例数3,072例
  • 副作用発現数271例
  • 副作用発現率8.82%

その発現率は8.82%となっており、使った人の9人に1人はなんらかの副作用が現れたという結果になっています。

その内訳についても

皮膚の副作用

  • かゆみ(そう痒感)…123件(4%)
  • 発疹…43件(1.4%)
  • 皮膚の赤み(紅斑)…31件(1%)
  • ふけ(頭都粧糠疹)…33件(1%)
  • 接触性皮膚炎…32件(1%)

循環器系、精神神経系の副作用

  • 神経系障害(頭痛、めまいなど)…17件
  • 心臓障害…7件
  • 目障害…4件
  • 胃腸障害…2件
  • 耳及び迷路障害…2件

※症状の表記は原文ママ
かゆみや発疹などが特に多く、副作用の中で90%以上を占めており、その他の副作用は件数としてはすべて合わせても10%程度の割合です。

また、この追跡調査では、心不全、アナフィラキシー反応、突発難聴 、性欲減退、肝機能検査異常(※症状の表記は原文ママ)などといった症状も報告されていますが、いずれも1件のみではっきりした因果関係が証明できなかったため、この時点では副作用としては認められていません。

このように実際の調査においては、すべての方に副作用が起こるわけではなく、その症状のほとんども皮膚に関する副作用になります。

ただし、こちらはあくまで一例であるため、過剰に恐れずとも、やはり慎重に使っていくことがユーザーの立場からは求められます。

市販薬の中で最も副作用が高い第1類医薬品に区分されている

第1類医薬品

ミノキシジル配合の発毛剤は、病気の治療や予防を目的とした「一般用医薬品」として、厚生労働省から認可されています。

ただし、副作用リスクが存在するため、薬機法で定めた基準によって市販薬の中で最も副作用が起こりやすい医薬品として「第1類医薬品」と区分されています。

市販の医薬品は、第1類以外に第2類、第3類と分けられています。

この中で「第1類医薬品」は直接手にとってレジに持っていって購入ができません。

第1類医薬品を購入する時は、必ず薬剤師や登録販売者によって薬の情報提供を受けることが義務化されています。

では、ユーザーの立場から見て発毛剤を使うときに絶対にやってはいけないことについてわかりやすくご紹介いたします。

使用上の注意を読まないで使ってはいけない

使用上の注意

どの発毛剤の外箱や同梱の説明書には、使用できない人について明確に表示されています。

さらに、場合によっては、医師や薬剤師に相談すべきこともしっかりと書かれています。

これらを読まずにいきなり使用することは絶対にやってはいけません。

はじめて使う前には、これらの項目をすべてクリアしていて使用可能であるかどうか確認するようにしましょう。

発毛剤を使ってはいけない人

  • 発毛剤に含まれる成分により過去にアレルギー症状を起こしたことがある人。
  • 未成年者(20歳未満)
  • 壮年性脱毛症以外の脱毛症(円形脱毛症,甲状腺疾患による脱毛等)の人,あるいは原因のわからない脱毛症の人。 
  • 脱毛が急激であったり,髪が斑状に抜けている人。

この中の「壮年性脱毛症」とは、思春期を超えた世代で、頭頂部や生え際にかけて時間をかけて徐々に薄毛になっていく症状です。

徐々に抜け毛が増えていって、薄い部分が広がっていく症状に有効です。

発毛剤の箱には、以下のように有効な薄毛のパターンが図解で必ず表示されています。

薄毛のパターン

ある日突然髪が抜けてしまったなどの症状には対応できないので注意が必要です。

女性でミノキシジル発毛剤を使ってはいけない人

発毛剤はミノキシジル濃度5%の場合、男性専用となっています。

しかし、ミノキシジル濃度1%の発毛剤は女性でも使える商品も発売されています。

ただ、先ほどの項目に加え、使用できない人として以下が表示されています。

  • 妊娠または妊娠していると思われる人。授乳中の人
  • 妊娠・出産に伴い脱毛している人
  • 避妊用ピルをやめたことにより脱毛している人
  • 頭皮から強く引っ張るような髪型によって脱毛している人

医師、または薬剤師に相談すべきこと

  • 今まで薬や化粧品などでアレルギー症状(発疹、かゆみ、かぶれなど)を起こしたことがある人
  • 高血圧・低血圧の人
  • 心臓または腎臓に障害のある人
  • むくみのある人
  • 家族・兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人
  • 高齢者(65歳以上)
  • 甲状腺機能障害の診断を受けている人

主に副作用のリスクに関わることが表示されています。

このうち、どれかひとつでもあてはまる場合には、使用前に必ず医師や薬剤師に使うことができるのか、相談してみましょう。

用法・容量を守らず使ってはいけない

用法・容量

ミノキシジル配合の発毛剤は、どの商品でも共通して用法・容量が定められています。

  • 1日2回(朝・晩)
  • 1回あたり1mlを使う
  • 傷や湿疹・炎症のない頭皮のみに塗る
  • 薄毛が気になる部分を中心にして、1mlの量をまんべんなく塗りつける

この回数や量を超えて使用することは禁止されています。

早く効果を出したいからといって

  • たくさんの量を使ってしまう
  • 1日に何回も使ってしまう
  • 同じ場所に濃い目に塗ってしまう
  • 他の育毛剤や外用剤と併用する

といった使い方をすることは絶対にいけません。

特に発毛剤は、指定の容量・用法の場合最低4ヶ月以上の利用が推奨されており、一度にたくさん使ったところで、効果に大差はありません。

何回も出してたくさんの量を塗ったり、1日に何回も使っても効果に変わりはないどころか、副作用のリスクも高める原因となってしまいますので注意しましょう。

すべての発毛剤は、1回1mlの量を正確に計量できる特殊なノズルになっており、自分で測る必要はありません。

あくまでノズルに溜まった量だけ塗ることを心がけるようにしてください。

万が一副作用が起こってしまったらやるべきこと

これらの条件をクリアしたとしても、使ってみなければ本当に副作用が出るのか出ないのかはわかりません。

また、副作用が起こるタイミングは人によってさまざまです。

塗りはじめてすぐに感じることもあれば、数ヶ月後体調の問題により、突然起こる場合もあります。

もし、実際に頭皮や体に異変が起こってしまった場合の対処法は次のとおりです。

頭皮の発疹、かゆみなどの皮膚へのトラブルの場合

もっとも起こりやすい症状です。
起こった場合はすぐに水を使って洗い流すようにし、薬液がこれ以上浸透しないようにすることが大切です。

つけたまま放置し、かきむしったりすると症状が余計に悪化することになりかねません。
そしてこれ以上の使用は控えるようにしましょう。

使用をストップすることで、症状がおさまることがほとんどです。

しかし、数日かかっても治らない、悪化しているということであれば、購入した発毛剤を持って購入したドラッグストアや薬局の薬剤師さんに相談する、もしくは皮膚科の専門医師に受診してみましょう。

通販で購入した場合は、購入したショップにメールで問い合わせすることも方法としてあります。

頭痛・めまい・むくみなどの症状が出た場合

すぐに使用をストップし、念のため、かかりつけの医師に相談してみましょう。

副作用をがまんして使い続けてはいけない

副作用がでているのに我慢して使うのはもちろんですが、一度副作用がおさまったからといって再び使うことも良くありません。

残念ながら一度副作用がでてしまえば、再び起こる可能性が非常に高いといわざるをえません。

副作用症状がさらに悪化していく可能性もあり、同じように使うことは避けてください。

発毛剤を使いはじめて毛が抜ける初期脱毛は副作用?

ひとつだけ、発毛剤の副作用と勘違いしてしまうことがあります。

発毛剤を使いはじめると、人によっては10日-2ヶ月程度で抜け毛が一時的に増加することがあります。

「え、副作用?」と感じる方もいるかもしれませんが、これは初期脱毛と呼ばれ、副作用ではありません。

そもそも髪の毛には、生えてから抜け落ちるまでのヘアサイクルと言うものがあり、正常な人の場合5~6年ほどをかけて髪が生え、成長し、抜け毛になるといわれています。

薄毛の方はこのサイクルがどんどん短くなり、やがて生えなくなると言われています。

発毛剤を使いつづけることによって、まずヘアサイクルの短い髪の毛が抜け落ちていきます。

その後新しく正常なヘアサイクルを持った髪の毛が生えてくるため、その生え変わりの段階で初期脱毛が発生する可能性があるんですね。

ただし、この初期脱毛の期間はおよそ2週間程度といわれており、発生しない人もいます。

ただ、2週間を過ぎて1ヶ月~2ヶ月たっても抜け毛が増えている場合は、別の原因や異常が考えられると思うので、一旦使用をストップし、回復するかどうか見極めたほうがいいと思います。

発毛剤の使用をやめると薄毛が進行する可能性が高い

「髪の毛が生えたから治った」と思って使用を中止する人もいるかもしれません。

しかし、途中で使用をやめた場合薄毛が再度進行する可能性があります。

そのため、発毛剤を使って薄毛が改善しても辞めることなく、そのまま継続して使い続けることをおすすめします。

発毛剤は、抜け毛の根本原因を退治するものではなく、あくまでも症状を抑制し続ける対症療法です。

使用を止めれば、またもとの状態に戻ってしまい、薄毛が進行していくため、発毛剤をやめると薄毛が進行することを理解してから、使いはじめましょう。

育毛剤(養毛剤)と発毛剤の違いとは?

育毛剤(養毛剤)と発毛剤

似たような名前で「育毛剤(養毛剤)」とよばれるアイテムも多数発売されていることはご存知かと思います。

発毛剤と大きく違うポイントは2つあります。

ひとつは、発毛成分ミノキシジルが入っているか否かが大きな違いとなります。

塗るタイプの中で、現在日本で唯一発毛成分と認められているのはミノキシジルのみであり、配合されていないものはすべて育毛剤(養毛剤)に区分されると考えて良いでしょう。

育毛剤(養毛剤)は医薬部外品、化粧品に分類されている

そして2つめは、発毛剤は病気の治療や予防を目的とした「医薬品」に区分されているとご紹介しました。

しかし、育毛剤(養毛剤)は医薬品ではなく、「医薬部外品」「化粧品」に区分されています。

医薬部外品とは?

脱毛の防止、育毛又は除毛に使用され、人体に対する作用がおだやかなもの。

化粧品とは?

皮膚や毛髪を健やかに保つために使用され、人体に対する作用がおだやかなもの。

どちらも劇的な治療効果があるような表示はできず、人体に対する作用の強さは医薬品に比べゆるやかなものとされています。

さらに化粧品は医薬部外品と比べても表示できる効能・効果が限定されており、効果の強さを順番であらわすと、

医薬品 > 医薬部外品 > 化粧品

となります。

そのかわり、人体に対する作用がおだやかなため、副作用のリスクも発毛剤のような強さはなく、薬剤師を介さずに基本的に誰でも購入できるようになっています。

発毛剤の副作用に悩まされる場合は、育毛剤(養毛剤)の使用も検討してみてはいかがでしょうか?

発毛剤に副作用の可能性はある。使用上の注意をよく読んで用法用量を守って正しく使う

発毛剤

このように、塗るタイプの発毛剤は一般用医薬品に指定され、市販薬の中で唯一発毛効果が認められていますが、副作用のリスクも存在するため、市販の医薬品の中でも最も注意が必要とされる第1類医薬品に区分されています。

人によっては使用自体が禁止されている場合や、医師や薬剤師に相談すべきことも規定されており、はじめて使用する前には、必ずこれらに該当するのか確認するようにしましょう。

使い始めて万が一副作用が出た場合は、我慢せずすぐに使用を止め、症状が止まらない場合は医師や薬剤師さんに相談するようにしましょう。

正しい使い方を守ってあなたのお悩みが解消できることを願います。

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