【美容師監修】薄毛にやさしい発毛・育毛のためのシャンプー方法。

突然ですが、毎日のシャンプーはどうやっておこなっていますか?

使うシャンプーのブランドにはこだわっているけれど、そのやり方は自己流…という方は意外に多いのではと思います。

実は、薄毛に直面する方にとっては「ただ髪を洗えばいい」普通のシャンプー方法と違って、洗い方自体も工夫していないと、思わぬ髪トラブルを誘発していることがあります。

また、発毛剤や育毛剤を使っている場合、せっかく成分を浸透させているのに、髪に悪いシャンプー方法のせいでいまいち効果が出し切れていない場合もあります。

とかくシャンプーというと、使うブランドばかりに目が行ってしまいがちですが、そもそも洗い方が悪いと、なにを使っても結果は同じ。

どんなにいい車に乗っていてもドライバーの操作が悪ければ事故が起こるのと同じことです。

発毛剤徹底研究会では、「何を使うか」より「どうやって洗うのか」のほうがよっぽど大事であると考えています。

そこでこのページでは、現役の美容師の方にも監修いただき、薄毛のため洗髪方法にこだわってみようとする方はもちろん、発毛剤や育毛剤を現在使われている方もより効果を出しやすいシャンプー方法についてご紹介します。

 

監修いただいた美容師
美容室RIMIE 中園店長

大阪・都島にある美容室「RIMIE」の店長でスタイリスト歴20年以上のベテラン美容師。ナチュラルかつオシャレなスタイリングから薄毛の方の悩みに寄り添ったカッティングまで、オールマイティな技術で数多くのキャリアを経験している。

洗い方を間違えていると薄毛をさらに誘発する可能性も。

まず、普段の髪の洗い方について、軽く思い返してみてください。

この中のどれかひとつにでもあてはまることはありますか?

  • 最初はシャワーで10秒くらい髪の毛を濡らすだけ
  • ボトルから液体をプッシュして直接頭にかける
  • シャンプーをつけたらゴシゴシ洗う
  • 泡が見えなくなる程度でシャワーですすぐだけ
  • 水が滴らない程度にタオルでささっと拭いて乾かす

どれかひとつでもある場合、このようなダメージを髪に与えていることになります。

  • 本来抜けることのなかった髪の毛が抜けてしまう
  • 髪のキューティクル(外側の部分)を傷つけ、抜け毛の原因となる
  • 頭皮に汚れが残って雑菌が繁殖し、フケ、かゆみを誘発する
  • シャンプー成分の洗い残しで頭皮に刺激を与えてしまう

シャンプーは基本毎日するものなので、このようなトラブルを常に抱えていると、髪が成長したくてもできないのが目に見えていますよね…。

特に薄毛の方の髪の毛は、成長力が弱くなっているばかりか、細く、弱い髪の毛が多くなっているので、ただでさえ抜けやすい髪の毛が余計抜けやすくなることに繋がります。

薄毛に適したシャンプー方法でこれだけのメリットがある

副作用の説明

洗髪方法を改善することで、次のようなメリットがあります。

1.抜け毛の抑制や髪が育ちやすい環境を作る

知っている方がいらっしゃるかもですが、そもそもどんなシャンプーを使ってもそれだけで髪が生える効果はありません。

シャンプーメーカーの大げさな広告に惑わされそうですが、基本的にシャンプーは洗い流すものなので、髪が生える成分が配合されていることはまずありません。(それっぽいことが書いてあることがありますが、受け流す精神がシャンプー選びには必要です)

ただし、髪が育ちやすい環境を作ることは可能です。

  • 今生えている髪の毛に余計な力を与えず、抜け毛を増やさない
  • 洗い残しを極力少なくすることで頭皮のトラブルの原因を排除する
  • 頭皮の保護効果のある皮脂を適度に残し、頭皮の清潔を保つ

このような効果によって直接的な効果はなくとも、成長しやすい環境をアシストすることができます。

シャンプーのブランドの違いは、発毛・育毛の観点で大きな差はないので、自分の使い心地が良かったり、髪質にあったものを使う程度でいいんではないかと思います。

2.血行不良を改善する

頭皮に流れる血流の悪化=血行不良は、薄毛になる原因のひとつとして数えられています。

頭皮をマッサージをすることは発毛剤の使い方でも紹介されていることですが、この機会にシャンプーでも取り入れてみましょう。

髪をきれいにするとともに、マッサージ効果もある洗い方を取り入れることで、血行不良に対する対策も同時にできてしまいます。

3.毛穴の汚れを除去し、発毛剤や育毛剤の浸透力を高めることができる

現在発毛剤・育毛剤を使っている方にもシャンプー方法を変えることで、より効果が高まるかもしれません。

そもそも、育毛剤は頭皮から塗って毛穴から浸透していきますが、毛穴が汚れや過剰な皮脂で詰まっていると浸透せず効果が薄れてしまいます。

丁寧なシャンプー方法によって清潔な頭皮を維持することで、毛穴の皮脂詰まりが少なくなり、成分の浸透力がアップし、発毛剤・育毛剤本来の効果を引き出すことができます。

では、ここからはキャリア20年以上の美容師さんにもしっかり監修いただいた具体的なシャンプー方法を順番にご紹介していきます。

5つのステップで組み立てる具体的なシャンプー方法

薄毛の方に合わせたシャンプーの具体的な流れについて中園店長に伺ってみると大きく分けて5つのステップに分解することができるそうです。

  • 1.シャワー前のブラッシング
  • 2.シャワーを使って十分に頭皮を濡らす
  • 3.シャンプーをつけて洗う
  • 4.シャンプーをすすぎ洗い流す
  • 5.髪の毛を乾かす

それぞれ押さえておきたいポイントを順番にご紹介していきます。

1.シャワー前のブラッシング

副作用の説明

ポイント

入浴前にヘアブラシを使って全体を軽くすいて、髪の細かい絡みをとり、大きな汚れを落とす。

髪の毛が全体的に長い方はいきなり洗い始めるわけではなく、お風呂に入る前にまずはヘアブラシを使って髪をとくことからはじめましょう。

これをやっている人は非常に少ないかもしれません。

しかし、これは意外に重要なことで、髪の細かい絡みをとることで、より汚れを落としやすくする目的があります。

中園店長によると、

髪が絡まった状態で濡らしてしまうと絡まった部分に汚れが蓄積されます。お湯で流す前に軽くブラシをすることで、絡まった髪の毛に汚れが溜まることを防ぐことができますよ。

そもそも毛が細く密に絡んでいると、汚れが溜まりやすく、その部分にはフケや雑菌が繁殖しやすい原因にもなってしまいます。

この状態がずっと続いていると汚れが少しずつ蓄積し、シャンプーでもとれない場合があります。

本当に軽く全体をとくくらいでかまいませんし、もともと髪の毛が短い方は、髪の毛が絡まる可能性が低いためこの工程はスキップしても問題ありません。

力強く行うと逆に髪の毛がひっかかり髪の毛が抜けてしまうので、毛先からゆっくりとブラシでといてくようにしましょう。

2.シャワーを使って十分すぎるほど頭皮を濡らす

第1類医薬品

ポイント

最低でも1分以上かけて頭全体をお湯でしっかりと濡らす。髪の毛だけでなく頭皮をしっかりと濡らすことを意識する。

シャンプーをつける前の洗いは「予洗い」と言われています。

この予洗いをささっと短時間で終わらせている人は多いのではないでしょうか?

髪の毛をかき分けるように指を通し、頭皮を触りながらどの部位もシャワーで十分すぎるくらい濡らすことが必要です。

最低でも1分くらいかけてじっくりと行ってください。表面の髪の毛ではなく、頭皮をしっかり濡らすことがポイントです。

最初に時間をかけてしっかり洗い流すことで頭皮の汚れはすでに半分くらい落ちるようなので、重要なステップのひとつともいえます。

実際にやってみると、「予洗い1分」という時間は意外に長く感じるので、最初は60秒をカウントしてみて感覚を掴んでみましょう。

ちなみに、シャンプーする時の湯温については諸説あるのですが、少なくとも36~8度以上のぬるいお湯であれば皮脂汚れも含め、落とすことができるそうです。

3.シャンプーをつけて揉み込み洗いをする

使用上の注意

ポイント

シャンプーの量は基本1~2プッシュでOK。
洗い忘れがないように洗う順番を決めてから指の腹を使って揉み込むように洗うことでマッサージ効果も。

まず、シャンプー液はたくさんつければ良いと考えている人もいるかと思いますが、まったくの逆。

次のステップにも関わることですが、大量のシャンプー液をつけると逆にシャンプー成分の洗い残しにもつながるので、できる限り少なく使うことを意識しましょう。

選ぶシャンプーや髪の毛の長さにもよりますが、男性の場合は、頭の形によってだいたい1~2プッシュで問題ないと思います。

また、プッシュして手にとった液体をそのまま頭皮につけてはいけません。

シャンプーの原液をそのまま頭皮につけると部分的に刺激の強い液体が当たってしまいますし、洗う時に洗浄成分が頭全体に行き渡りません。

液体を手にとったら両手の手のひら全体を使って軽く泡立てるようにしてから頭皮につけるとまんべんなく液体が回るようになります。

泡立ちが悪い場合は2度洗いもOK

髪の汚れがひどかったり、整髪料をたくさんつけていると、泡立ちが悪い場合があるので、その場合は2度洗いで対応しましょう。

泡立ちが悪い場合は、ワックス残りなど頭皮の汚れが原因なので、半プッシュだけして一度シャンプーし、表面の汚れを落としてから洗い流し、さらにもう一度シャンプーすると泡立ちが格段に良くなりますよ。

1回目は半プッシュしかしないのでほとんど泡立つこともありません。

しかし、一度すすでからもう1プッシュしてみると、2,3プッシュした時と同じくらいの泡立ちを感じることができます。

普段の泡立ちが悪いと感じる人は是非やってみてください!

洗い忘れがないように洗う順番を決めておく

シャンプーの時に注意しないといけないのが洗い忘れ。

部分的に皮脂が残っているとそこから菌が繁殖し、フケやかゆみが発生することがあります。

「頭頂部を洗い忘れた、後頭部を洗い忘れた」とならないように、あらかじめ決められた順番に洗っていくと洗い残しの可能性は少なくなります。

例えばこのような順番で脳内マーキングを行うと良いと思います。

  • 生え際
  • M字部分
  • 頭頂部
  • 後頭部
  • 側頭部

一箇所あたりだいだい30秒くらい、洗いに時間をかけるのは2~3分というところでしょうか。

基本的には髪の毛ではなく頭皮を洗うことを意識して洗うと洗い忘れはなくすことができますよ。

指の腹で揉み込むように洗い、マッサージ効果も両立させる

洗う時にとにかく汚れを落としたいと、ガシガシこすったり、爪を立ててひっかくように洗う人がいますがこれはNGです。

力が極端に入るため頭皮が傷つき、キープ力が弱った髪の毛が抜けたり、頭皮に炎症が起こる原因にもなるので、力が分散される指の腹を髪や頭皮にあてて揉み込むように丁寧に洗いましょう。

汚れ自体はシャンプーに含まれる界面活性剤の効果(脂分の分解)で落とすことができるので、強くこすったり、力をかける必要はありません。

両手を使ってギュッギュと頭皮をつまみながら揉み込むように洗うことで、頭皮へのマッサージにもつながり、同時に血行促進効果も期待できます。

特に頭頂部は血行不良になりやすいので、頭頂部は指の腹で汚れをおとしながら、揉み込むように洗ってみてください!

4.シャンプー残りがないようにしっかりと流す

副作用の説明

自分では全部流せている…と思っても意外に洗い残しがあることはご存知ですか?

最後のすすぎも、予洗いと同様、短時間で終わらせずじっくりと時間をかけることが大切です。

表面だけでなく、髪と髪の間に指を通してみて、シャンプーのぬめりが取れるまで頭全体をお湯を使って洗い流しましょう。

生え際、M字、頭頂部、後頭部と各部位別に、指を通してみて、シャンプーのぬめりがきちんと取れているか確認しましょう。

特に手が届きにくいつむじの部分や側面の髪のフチあたりは洗い残しが発生しやすいので念入りにチェックすることをおすすめします。

髪の長さにもよりますが、おそらく完全に洗い流すには最低1~2分はかかると思います。

こちらも最初やってみた時は、体感時間がかなり長く感じられると思うので数字をカウントしながらすすいでみることをおすすめします。

リンスやコンディショナーをこの後つけるかについては個人の髪質によってお好みで構いません。

あくまでも髪のツヤや櫛通りを滑らかにする役割なので、発毛・育毛には直接関係がないですが、髪のパサつきや静電気が気になる場合はシャンプー後に付けておいたほうがよいでしょう。

5.頭皮をきちんと乾かす

副作用の説明

ポイント

タオルで大きな水分を拭き取ってからドライヤーで残りの水分を吹き飛ばす。雑菌の原因となるムレを排除する。

お風呂から上がった後ももうひと手間必要です。

そもそも髪の毛は自然乾燥まかせ、もしくはタオルでササッと済ましてしまう方も多いのではないでしょうか?

しかしこの程度の乾かし方だと、髪や頭皮にとっては悪影響を与えてしまいます。

お風呂上がりは頭皮も蒸れており、さらに汗もかきやすいため、水分が残っていると雑菌や余分な皮脂がわきやすい環境になっています。

お風呂から出たら速やかに乾燥させることで雑菌の繁殖を抑え、清潔で髪が育ちやすい環境を作ることにつながります。

タオルとドライヤーを併用する次の2ステップで行ってみましょう。

最初はタオルで可能な限り乾かす

バサバサ髪の毛を乱しながら、こするように拭く人が多いと思いますが、それだと逆に髪の毛が絡まって抜け毛を増やしてしまう恐れがあります。

髪をタオルで包んでから押さえたり、ポンポンと叩いたりしながら、髪の毛の水分をタオルに吸わせることを意識して水分を吸わせていきます。

さらに、髪の奥に残った水分を取り除くために、「髪を一度かきあげて内側から頭皮の水分を吸わせる」ことを繰り返しましょう。

ドライヤーを動かしながら温風で水分を除去する

副作用の説明

タオルで乾かしても、やはりどうしても水分は残ってしまいすぐには乾くことはありません。

やはりドライヤーを使って完全に乾かしたほうが、より水分が残りにくくなり、リスクを最小限にとどめることができます。

ドライヤーはこぶし1つ程の距離を開けて使いましょう。また、髪の間に指を差し込み、髪の毛をワサワサと動かしながら満遍なく頭皮を乾かすことを意識しましょう。

一点に集中してドライヤーを当てるとすぐに乾きますが、熱によって頭皮が炎症を起こす可能性があるため、ドライヤーは常にいろんあ場所に動かしながら乾かしましょう。

使うモードは冷風ではなく、温風を使い、残った水分を吹き飛ばすように数分ブローする程度で構いません。

冷風だけで乾かしてしまうと時間がかかり、急激に髪の毛が冷やされるため仕上がりも髪の毛がかなりごわつきます。

温風ドライヤーでも、距離を開けることと、常に動かすことを意識すれば、それほど熱による悪影響を与えることはありません。

面倒だけど最初は部分的にも取り入れてみることがおすすめ

実際にやってみるとこの一連の方法は、面倒だと思うかもしれません。

しかし、どんなに良いブランドのシャンプーを使っていても使い方が誤っていればその効果は台無しです。

特に薄毛の状態は一般的に髪の成長力が弱って抜けやすいとも言い換えられ、丁寧にケアすることによって今ある髪の毛が残りやすく、成長しやすい環境を作ることが大切であると思います。

少なくとも、自己流の洗髪方法で薄毛を誘発することだけは避けなければいけません。

シャンプーのブランド選びも大事ですが、髪の毛にやさしい洗い方を実践することで少なくとも悪影響は排除することはできます。

特に注意したいのが、洗い忘れ・洗い残しと乾かし方です。

汚れやシャンプーの成分が残ってしまう、また雑菌が繁殖しやすいままでいることは髪の毛の成長を阻害していることは間違いありません、

まずは予洗い、すすぎを時間をかけてしっかり行うこと、そしてタオルとドライヤーを併用してしっかりと乾かすことからだけでもはじめてみるのもいかがでしょうか?

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